心理学において個人的に重用している数理モデルの基礎

当記事をご覧の方の中に、当方が人1倍理屈好きであることをご存じの方は多いかと思います。
そのことと、物事を数学的に捉える傾向がどうしても強いことはそう無関係でもないと考えていまして。

そんなワケで(どんなワケだ)、このエントリーは当方が人の性質についてしばしば用いる数理モデル的な考え方を備忘録がてら纏めておく、という風になります。
ご興味のある方はどうぞ。

人の性格・行動に付随して観測される心情と線形代数学

当方、感情は一方向的な物ではないと考えている身です。
これだけの説明だとまだシンプルで分かりやすいんですが、「性格や行動を感情的な面から観測しようとするとどうしても1つの見方では実体が掴めない」というとチンプンカンプンな方が多そうな気がします。
例えば恋愛において、ある人が自分の好きな人に告白しないことを「その人は勇気がないから告白しない」と捉えるか「その人は好きな人と自分が釣り合わないから告白しない」と捉えるか、みたいなことを考えるとしましょう。これを、単に「その人が告白しなかった」という事象によってのみ分析するのは明らかに見当外れだと思います。
そもそも感情には喜怒哀楽を初めとしたいくつもの種類があり、これらは全てが独立(線形代数学の言葉で言うなら、感情1つひとつの基底ベクトルが1次独立)しています。しかも感情は人間がその中で生活し把握できる次元(一般的に3次元、稀に4次元)には到底収まらない。
ではどうするか。
その人の性格(位置ベクトル)と実際の行動(方向ベクトル)を検討しつつ、更に部分空間への射影としてそのベクトルを落とし込むことが求められるのです。
これを実際の人間の考え方に変換すると、その人が任意の行動をどういう意図で取ったのか本人の性格から判断し、一面的ではなく多面的な見方を行うことでその本意を探る、というプロセスになるでしょうか。
さてこのプロセス、理解していただけますかね……。

では、更にもう1つ。

社会心理学的なバランスを示す関数

つい昨日、社会は完璧主義か寛容主義かという話をちらっとフォロワーさんがしてくれまして、それに乗っかる形で展開した持論です。
これ、完璧主義か寛容主義かの二択に絞るのではなく、一方の人数割合から一方の主義の実割合を出す関数を用いて連続値として算出するほうが理に適っているというところがあります。
例えば社会全体を\(1\)としたとき、寛容主義者の割合を\(t(t \in [0, 1])\)とすると完璧主義者の割合は\(1-t\)、これらのような思想を社会学的・心理学的に重み付けする関数\(f : [0, 1] \longrightarrow [0, 1]\)を定義してそれに通すと、求めたいバランスが簡単に算出できます。
え、じゃあその関数をどういう風に定義するかって? さあ……

とまあ、こんな感じで数理モデルを設定するのは結構楽しいです。
つい先日投稿した時計における数学的な正確性も、対象となる学術的分野が違うだけで実際やっていることはそんなに変わりません。
尤も当方もこの分野が本業というワケではないので、かなり雑な説明になっていますが。
共感された方、気になられた方がいらっしゃれば嬉しく思います。

Written on February 19, 2017